防水スマホだから大丈夫!――そう思って、お風呂で動画や音楽を楽しんでいる人、きっと多いですよね。
でも、ちょっと待ってください。それ、本当に「大丈夫な使い方」ですか?
防水スマホの「IP〇〇」って何のこと?
スマホのスペック表によく書いてある「IP68」とか「IP67」って数字、見たことありますか?これは**「IPコード(Ingress Protection:防塵防水性能)」**といって、そのスマホがどれくらいの防塵(ちりやほこりに対する強さ)と防水性能を持っているかを示す国際的な規格なんです。
例えば「IP68」なら、最初の「6」が防塵性能、次の「8」が防水性能を表しています。
✔ 防塵性能(最初の数字)
- 6:粉塵が内部に侵入しない(完全な防塵)
✔ 防水性能(次の数字)
- 7:水深1mに30分間は内部に浸水しない
- 8:水深1.5mに30分間は内部に浸水しない
つまり、**IP68なら「チリやホコリは完全シャットアウト、かつ水に沈めてもOK」**という、かなり高性能な防水性を持っていることがわかります。
お風呂とIP〇〇?
「じゃあIP68ならお風呂で使っても問題ないじゃん!」と思いますよね。でも、ここが落とし穴なんです。IPコードで示される防水性能は、基本的には**「常温の真水」**を想定しています。
お風呂には、真水ではない「お湯」がありますし、シャンプーや石鹸の「泡」、そして「湯気」という要素が加わります。これらが防水スマホにとっての天敵になることがあるんです。
・ お湯(高温)
スマホは熱に弱く、高温にさらされると内部の部品や接着剤が劣化しやすくなります。熱で膨張と収縮を繰り返すことで、わずかな隙間が生じて浸水の原因になることも。
・泡(シャンプー・石鹸)
シャンプーや石鹸の成分は、スマホの防水パッキンを劣化させる可能性があります。劣化すると、本来防げるはずの水の侵入を許してしまうことも。
・湯気(湿度)
湯気は細かい水の粒子なので、スマホ内部に入り込みやすい性質があります。特に、充電ポートやスピーカーの穴など、目に見えない隙間から侵入して、故障の原因となることがあります。
湯船へのドボンは絶対NG!
一番避けたいのは、スマホを湯船の中に落としてしまうこと。たとえIP68対応のスマホでも、先述した「お湯」の要素に加え、水圧がかかることで内部に浸水するリスクが高まります。湯船に沈めて使うのは、スマホにとって非常に危険な行為だと思ってください。
お風呂でスマホを使うときの注意点
それでも「お風呂でスマホを使いたい!」という人は、以下の点に注意して自己責任で使いましょう。
✔ 湯船に落とさない!
これが最重要。落とさないように、手から滑り落ちないよう十分に注意しましょう。万が一に備えて、防水ケースを使うのもおすすめです。
✔ なるべく湯気から遠ざける
スマホを置く場所は、湯気が直接かかりにくい浴槽の縁や棚の上など、できるだけ高い位置を選びましょう。
✔ 水滴や泡はすぐに拭き取る
もしスマホに水滴や泡が付着したら、すぐに乾いた柔らかい布で優しく拭き取りましょう。
✔ 充電・イヤホンジャックは濡らさない
充電ポートやイヤホンジャックは、特に浸水しやすい部分です。濡れた手で触らないようにし、使用後は完全に乾いていることを確認してから充電しましょう。
✔ お風呂から出たら自然乾燥
お風呂から上がったら、スマホを涼しい場所で自然乾燥させましょう。ドライヤーの熱風は、かえってスマホにダメージを与える可能性があるので避けてください。
✔ 経年劣化を考慮する ※結構重要です
スマホの防水性能は、使い続けるうちに少しずつ劣化していきます。購入したばかりの時と全く同じ性能ではない、ということを頭に入れておきましょう。
まとめ:安全第一でスマホを使おう!
防水スマホでも、お風呂での使用には様々なリスクが伴います。
🔥 お湯=スマホの内部劣化を進める熱の敵!
🧴 泡=パッキン劣化の原因。洗剤は大敵!
💨 湯気=隙間から入る“見えない水”。想像以上に厄介!
つまり、湯船にドボンは絶対NG
✔ 使用する際は、湯気から遠ざけ、水滴はすぐに拭き取る
✔ それでもお風呂でスマホを使いたい場合は、防水ケースを活用するのも一つの手です。
せっかくのスマホが故障してしまっては元も子もありません。
お風呂で使う際は、これらの注意点をしっかり守って、安全第一で楽しんでくださいね!